ひのもとのたみがよむブログ

by日本人目覚まし促進委員会

細菌やウイルスとの共生③

f:id:itsumidokusho:20220314123015p:plain

「細菌やウイルスとの共生」というタイトルで、3回に分けて記事を書いています。

今日は3回目、最後となります。

前回までの記事の内容を簡単に振り返ると、

  • 地球上には膨大な数の、さまざまな細菌やウイルスが存在している
  • 私たちは細菌やウイルスのことをよく知らないのに、「悪いもの」と思い込んでいる
  • 細菌やウイルスのなかには、私たちの体の役に立ってくれているものもある
  • 免疫には「異物を排除する機能」と、「異物を受け入れる機能」が備わっている
  • 免疫の7割が、腸内細菌の働きによるもの
  • 細菌やウイルスなしでは、人間は存在できない

こんな感じです👩

詳しくはこちら!お読みいただけると嬉しいです😀itsumidokusho.hatenablog.comitsumidokusho.hatenablog.com 

今日は、「細菌の性質」と「細菌やウイルスに対しての考え方」について、お話します。


病原菌はほんの少ししかいない

世の中には無数の菌がいますが、そのなかで病原菌といわれるものはほんの少しだけです。偶然ぶつかるという程度。

なんとなく、病原菌がウジャウジャいるイメージがありましたよね👩

ところが、ほとんどが無害か、役に立つ菌のどちらかです。

食べ物を落としても5秒以内だったら大丈夫!という「5秒ルール」というものがありますよね😀

これを実際に試してみて、5秒でも細菌はつくけれども、大学の床には病原菌はいないということを実証し、イグノーベル賞をもらった人がいるそうです。

イグノーベル賞とは(コトバンクより)

f:id:itsumidokusho:20220313064129j:plain

赤ちゃんを思い浮かべてみてください👶
這っているあいだに、いろんなものを口に入れていますよね。

それでも病気になることはありません。

5秒であれ10秒であれ、下に落ちたものを食べても、めったに病気になることはないのです。

考えてみれば、そうですよね🤔今までの人生で、床に落ちたものを食べたことは何回もあったはずだけど、何もありませんでした😁

常在菌が守ってくれている

常在菌とは(Wikipediaより)f:id:itsumidokusho:20220313065605j:image

実は、手洗いした後のほうが細菌の数が増えます。

なぜかというと、手のひらの奥のほうにいた細菌が外へ出てくるからです。

数だけでいうと、手洗いしたあとのほうが菌が多くなりますが、多くても少なくても関係ありません。

表面にいるか奥にいるかというだけの話です。

これらはすべて常在菌で、私たちの体を守ってくれている菌です。

私たちの手などには、病原菌はほとんどついていません。

常在菌が守ってくれているので、入ってこれないのです。

手などに傷があると、そこのバリアが崩れ、常在菌が少しいなくなってしまうことがあります。

そうすると、その場所は病原菌が増えやすくなります。

しかし、通常、健康な皮膚に病原菌がつくことはあっても増えることはありません。

私たちの体は、菌に守られているのですね👩

腸内細菌の性質

腸内細菌は空気が嫌い!?

私たちの周りには、ほとんど病原菌がいないということが分かりましたね😉

それなのに、なぜ病原菌の研究ばかりされてきたのでしょうか?

それには、理由があります。

腸内細菌といわれる、私たちの役に立ってくれている菌のほとんどが、「嫌気性菌」というものだからです。

空気や酸素が嫌いで、体から取り出しておくと死んでしまい、増やすことができません。

そのため、実験が難しいのだそうです。

腸内細菌の数と重さ

突然、クイズです🎤

腸内細菌の数は、どれくらいでしょうか?

①約100万個

②約100億個

③約100兆個

 

 

正解は

 

 

③約100兆個です。

一、十、百、千、万、十万、百万、千万、一億、十億、百億、千億、一兆、十兆、百兆・・・思わず数えてしまいますね😀地球上にいる微生物の数もものすごかったですが、(詳しくは「細菌やウイルスとの共生①」に書いてあります)腸内だけで、こんなにいるなんて😲

ものすごい数の腸内細菌ですが、腸壁の粘膜にびっしり生息しています。これがお花畑(フローラ)のように見えることから、「腸内フローラ」(腸内細菌叢)(ちょうないさいきんそう)と呼ばれ、その総重量は約1.5kgにもなります🌻🌷🌹

へぇーーーーー🧓👵👨👩👦👧

善玉菌、悪玉菌、日和見菌

腸内細菌は、大きく3つに分けられます。

善玉菌、悪玉菌、日和見菌です。

 

😇善玉菌・・・代謝物が消化・吸収機能に役立ち、人体によい影響を与える細菌。

😈悪玉菌・・・便秘や下痢を招いたり、代謝によって有害な毒素をつくったりする、人体に悪影響を及ぼす細菌。

😗日和見菌・・・腸内細菌で最も多いグループ。善玉・悪玉のうち、数的に優位なほうに加勢する。

理想的なバランスは、善玉菌2割に対し、悪玉菌1割です。

さて、算数をしてみましょう😀

【理想的なバランス】

[善] : [日] : [悪] 1

多数派の日和見菌は、数的に優位なほうに味方するのでしたよね!

ということは、

[優位な善玉菌] + [多数派日和見菌] 9

これに対して悪玉菌は1

ということで、善玉菌優勢!=健康😊

【バランスが悪化】

[善] : [日] 7 : [悪] 2

今度は、悪玉菌が2、善玉菌が1となっています。

多数派の日和見菌は、数的に優位なほうに味方するするので、

[優位な悪玉菌] 2 + [多数派日和見菌] 79

これに対して、善玉菌は1

ということで、悪玉菌優勢!=不調🤢

👩‍⚕️多数派の日和見菌は、数的に優位なほうに味方するので、常に善玉菌の優勢な状態を保つことが大切です!

まさに人間社会と同じですね😅

嫌気性菌と好気性菌

話は戻りますが、ほとんどの腸内細菌は空気が嫌いです。

でも、私たちの体の中も空気はありますよね。

それなのに、どうして生きていられるのでしょうか?

これもまた、非常にうまくできています!

私はさきほど「ほとんど」の腸内細菌は・・・と言いました。

そうなんです!

実は腸の中には、嫌気性菌と好気性菌の両方がいます😀

酸素が好きなほうの菌が、酸素を吸ってくれているので、嫌気性菌は生きることができます。

ただ、↑の「腸内細菌は空気が嫌い!?」でもお話したように、嫌気性菌を体外で培養しようと思っても難しいため、実験があまりうまくいかず、働きもよく分からなかったのです。

※嫌気性菌はさらに2つに分けられるようです。(腸内細菌学学会のHPより)

f:id:itsumidokusho:20220314081048j:plain 

細菌やウイルスは、共生したがっている

一方、病原菌はほとんど外にいるし、好気性菌なので、いくらでも培養できます。

だから、こちらの働きばかりが分かって、除菌、除菌といわれるようになりました。

清潔にしすぎた結果、私たちの役に立っている常在菌までいなくなってしまい、アレルギーになる人が増えたのかもしれません。

私たち人間は、抗生物質などのおかげで感染症を克服できたという思いからか、いつの間にか、世の中にいる菌やウイルスはみんな悪いもので、撲滅すればいいという考え方になってしまいました。

でも、実際は役に立っているものもあるし、病気のもとになっているといわれている病原ウイルスや病原菌も、役に立っていないとはいいきれません。

ウイルスや細菌、病原菌も含め、「自分たちだけで生きていくのは大変だから」と共生したがっているのではないのでしょうか?

牛の胃の中にも・・・

腸内細菌は人間の体の中にいて、免疫や消化などいろんな働きをしていますが、それは人間だけではありません。

例えば牛🐄

牛は草を食べますが、草を分解する酵素を持っていません。

4つの胃の中にそれぞれ別の細菌がいて、植物性の繊維を分解する酵素を出しています。

もし、このような菌がいなくなってしまったら、どうなってしまうでしょうか😣?

ピロリ菌がいるから胃がんになる?

みなさん、「ピロリ菌」って聞いたことありますよね👩

ピロリ菌は胃に住んでいる細菌で、「胃がんの原因になる」といわれています。

発症を避けるために、ある程度の年齢になるとピロリ菌検査をして、発見されたら駆除するというのが、今や当たり前になっています。

学校検診に、ピロリ菌検査を組み入れている中学校もあるようです。

確かに、ピロリ菌は胃がんを起こす原因の1つかもしれません。

しかし、ピロリ菌が発見されたとしても、即、がんにつながるわけではないのです。

おそらく、ほとんどの人がここを勘違いしているかと思われます👩

実際、「薬が病気をつくる」(この記事を書くのに参考にした本)の著者で薬剤師の宇多川久美子さんは、検査で「ピロリ菌あり」だったそうですが、そのまま放置していても胃がんにはなっていないそうです。

私も以前はよく知りもせずに、「ピロリ菌がいる」=良くないことだと思っていました😣

私と同じように思っていた方は驚くかもしれませんが、なんと、大半の人がピロリ菌を持っているのだそうです😲

となると、ピロリ菌を駆除することは本当に必要なのか、疑問ですよね。

ピロリ菌も役に立っている

ピロリ菌の働きとして一番よく知られているのは、胃酸を調整して、出すぎないようにしていることです。

ピロリ菌がいなくなると・・・

胃酸が出すぎる

            ↓

出すぎた胃酸が食道のほうに逆流

            ↓

食道の炎症、食道がんを起こす

このような可能性が考えられます。

そして、これは子どもでもありえることです。

アメリカでは、ピロリ菌を除菌するようになってから、食道がんが年々10%ずつ増えているそうです。

年をとると、胃酸があまり出なくなります。そのとき、ピロリ菌によって胃酸の出が悪くなると、胃がんになることはあるかもしれません。

ですが、ピロリ菌の除菌をした人としなかった人の胃がんの発生率に、そんなに違いはなかったという論文もあるそうです。

ピロリ菌の除菌って、意味ないね👦👧

また、ピロリ菌はぜんそくの予防もしているといわれています。

そして、これはみなさんにとっては嬉しくない情報だと思いますが、なんと、ピロリ菌の除菌をした人の約8割の人が太ったそうです。

これはピロリ菌が、食欲をつかさどるグレリンというホルモンを調整しているからのようです。

ピロリ菌の除菌しても、いいことないね👦👧

ピロリ菌も10万年くらい共生している細菌。そういうものが悪いことだけしているはずがない。悪いことだけしているんだったら、10万年ものあいだで、排除されないはずがないので。ぼくたちが役に立っている部分を知らないで、欠点だけ見つけて、いなくなっちゃったほうがいいと勝手に思っているだけ。

「予防接種は迷って、悩んでもいいんだよ。」(青野典子・山田真)から抜粋

ワクチンは、時代にあった防御法なのか

次も、同じ本から抜粋します。少し長いですが、ここだけは読んで欲しいです🙇‍♀️

ぼくたちは、これから、基本的にウイルスや細菌のいいところ、役に立っているところにも目を向けていって、できれば共生していくことを目指していかなければいけないのだと思います。撲滅の思想っていうのは、もうすでに古い思想になっているんじゃないでしょうか。

ワクチンについても、これに疑問をもっている人たちのあいだでは、どのワクチンがよくて、どのワクチンがよくないとか、ワクチンは副作用があるからよくないとか、そういうことが話題になることが多い。

でも、ぼくたちがほんらい、いまみたいな時期に考えなきゃいけないのは、ワクチンというかたちで体を守る防御法が時代にあっているのかどうかということ。

これまでは、ウイルスというのは病気のもとになる悪いやつしかいないから、ワクチンというかたちで対応すればいいと思っていたんですけれども、それも考え直さなければならない。長いあいだぼくたちといっしょに生きてきた生物なのですから、やっつければいいということではないだろうということなのです。

この本は約5年前の2017年10月に発行された本ですが、まるで、今の状況を見て言っているようで、考えさせられますね👩

この文章を紙に書いて、日本全国にばらまきたいくらいです!

まとめ

↑の抜粋した部分にすべてが凝縮されているので、それをまとめとさせていただきます😁

 

「細菌やウイルスとの共生」の記事を①~③まで全部読んでくださった方は、細菌やウイルスに対してのイメージがかなり、変わったかと思います😀

私もこれを書いていくうちに、細菌やウイルスなどの微生物が可愛く思えてきました😊

それと同時に、マスク、消毒、ソーシャルディスタンス、ワクチン・・・など「感染対策」と呼ばれるものが、「今まで以上に」ばかばかしく思えてきました🤪

 

これで「細菌やウイルスとの共生」のお話は終わりです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました😆💕✨

 

感想をいただけたら、とっても嬉しいです🙇‍♀️✨

 

【参考】